漢(おとこ)の着物は羽裏に凝る。

袷の羽織には裏地が必要。
「羽裏に凝る」というのが粋な和服の究極の理想のようによくいわれます。
時には羽織地よりも羽裏のほうが高価なのもあり、
凝った羽裏の場合は、やっぱり人前で脱いでチラリと見せたくなったりします。

羽裏に春画などをしつらえたりする人もいるぐらいで、
贅沢なお洒落。
脱がないと見えないところにこだわるのは、
現代だけじゃなく、昔からありました。

浮世絵模様の長襦袢が一枚余っていれば、
これをほどいて新調の羽織の裏に使う。

なんとも傾いた様子で、惚れ惚れします。
華々しい色遣いで、目を引く着方もありますが、 やっぱり、漢の着物は羽裏に凝りたいです。